確定申告ですが、令和2年分も昨年同様、所得税と個人事業者の消費税の申告書提出・納付期限が令和3年4月15日までに延長されています。
例年ですと所得税は3月15日、個人事業者の消費税は3月31日です。
期間の延長はあくまで例外。
延長が来年も続くとは思えませんので、「4月15日までに申告すればいいでしょ!」と思って準備されていると来年以降大変ですよ。
この記事を書くにあたって…私も気をつけます
正直私も従業員としての立場で給与のみ受け取っていたので、年末調整で終了していました。
これからは事業を始めるので確定申告が必要になります。
この記事を書くからには自分もきちんとしなければならないなと。
「自分ならこう行動する」というものを書いてみたいと思います。
確定申告が始まる前に準備は終わらせておくべき
前年の1月から12月までの収入や経費を集計して確定申告書を作成しますが、その集計作業や準備は確定申告期間が始まる2月16日までに終わらせておくべきです。
いや、もっと前(1月中)でも全然いいです。早いのに越したことはありません。
今年が例外なだけで、本来は3月15日が期限なのです。
この期限を過ぎてしまうと加算税という余計な税金が発生する可能性があります。
コロナ不況が叫ばれていて個人事業者の方も非常に苦労されているかと思いますが、確定申告は義務です。
生活が苦しいから税金を納めたくない、申告なんてしなくてもいいという考えはもってのほか。
しかも昨年から飲食店などに支給されている「持続化給付金」は課税(=税金はかかる)です。
これを申告しないで放置すると、税務署からお尋ね文書が来たり最悪の場合税務調査が来るかもしれません。
とにかく、毎年のことですから早めに準備をするというのは鉄則です。
もしわからないことがあれば本来は年明け早々に税務署や税理士に相談するべきなのです。
この「持続化給付金」などコロナ関連の給付金は、一部の例外を除き基本的に課税されると思っておいたほうがいいです。
「国や自治体からもらえたからそれに税金をかけるのはおかしい!」とおっしゃる方がいますが仕方ないことです。
その給付金をもらえない方もいるわけで、その方たちより多くの収入を得ていることになりますから。
今年以降数年間はコロナ給付にかかる無申告者の対応に税務署は力を入れるでしょうね。
確定申告期間内に仕上げたらいいでしょ!はやめよう
確定申告期間の延長はあくまで今年だけ。来年以降通常に戻ることが予想されます。
よく「確定申告期間に入ってから仕上げたらいい」と考える方がおられますが、それでは正直遅いです。
所得税の確定申告期間である2月16日~3月15日は、「提出し納付する期間」であって、「計算し集計を始めて申告書を作成する期間」ではありません。
何が言いたいかというと、申告書を作成するのはあくまで確定申告期間の前にすべきだということ。
もしそれまでに準備ができそうにないのなら、経理方法や書類管理に問題があるのかもしれません。
もしほんとうに資料がそろわないなら年明け早々にでも税務署や税理士に一言相談しておくべきなのです。
本業が忙しいから確定申告期間になって一気に資料を整理して経理をまとめてする方が非常に多いですが、おすすめしません。
経理するなら日々やっておきたいところですし、資料整理も日々行っておくべきです。
一気にまとめてやろうとするからしんどいな・大変だなと思ってしまうので。
日々ちょっとずつでもやっておくことで時間の節約にもなります。
ちなみに私も自分の経理(=家計簿と領収書の整理など)は毎日行っていますが、ものの5分で完了します。
それは、マネーフォーワードMEというアプリを使っていてデータ連携をしているから。
買い物はモバイルSuicaを使ってキャッシュレス決済をしていますし、基本的に現金は使わないようにしています。
データ連携しているとすぐに使った金額が把握できます。
現金ですとデータ連携はできないので経理する必要が出てきて面倒です。
このように、経理方法や資料整理は効率化しようと思えばいくらでもできる時代です。
e-Taxも現在導入され税務署へ行かなくてもネット経由で申告書を提出できるようになりました。ネットバンクで納付も可能です。
申告書を手書きすることは今はとても大変です。必ず集計ミスしたり書き間違えます。
データ化することで従来のやり方よりははるかに早く作業を終えることができるので、この機会に経理の効率化を考えてみるのもいいと思います。
確定申告は「電子申告一本」にしてほしいと思っていた
ちょっと話はそれますが、私が税務職員のときに思っていたことがあります。
法人課税の職員であった私も、確定申告期間中は確定申告業務に従事することがありました。
その仕事というのは、郵送で届く紙の申告書の開封作業から始まり、提出された紙の申告書の検算やら入力作業などでした。
ここで注目すべきは「紙で提出された申告書はいかに面倒か」ということです。
紙で提出されると以上のような手順を踏みますので、職員としても手間なのです。
開封作業から入力作業まで独自のマニュアルが存在するくらい、いちいちチェックしなければなりません。
一方、電子申告だと手順のほとんどは省略されます。開封する作業はないですし、足したり引いたりするという検算もしなくていい、入力はすでに行われていますし。
もちろん申告書の内容のチェックは後ですることになりますが、多くの工程は省略できるのです。
電子申告のほうが職員としてもありがたい。
電子申告1本にしてしまったほうがいいんじゃないか、なんて思ったりしていました。
まとめ
今回は、まだ確定申告していない方は早急に対応したほうがいいということと、来年以降は同じ行動は取らないようにという注意喚起も込めて書きました。
今後は確定申告期間前に確定申告書の作成まで終了させるようにすること。
経理の効率化を考える。
書類の整理や経理は毎日行うほうがいい、ということも書いてみました。
一気にまとめてやりたい性格の方っていると思いますが、さすがにこの確定申告についてはまとめて仕上げるのは危険だなと思います。
1年分ありますから量が多いですし、内容を忘れているということもありますからね。
早め早めに行動する、わからないところは相談する、申告は電子で行う。
来年以降を見据えて考えておくのもいいと思います。
冒頭にも書いたように私もひとりの事業主の立場で今年分から確定申告をすることになります。
一層確定申告は気をつけていきたいなと思っています。
では。
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