勉強を始めるなら導入的資格から

新年度、これから何か資格を取ろうと思っている方もおられるかもしれませんね。

資格にもいろいろあって、難関な国家資格から民間が主催する検定と呼ばれるものまでありますが、私は関連性があるなら導入的な資格から勉強することをおススメします。

私が考える導入的資格とは…

導入的資格というのは、ある難関な国家資格を受験するうえで基礎となる資格という意味です。

例えば、私が過去に勉強した国家試験として、公認会計士試験・税理士試験がありますが、その基礎となる資格が「日商簿記検定」です。

日商簿記検定も日本商工会議所が主催する資格で1級はとてつもなく難関ですが、特に公認会計士試験を受験するうえでは1級でも基礎的なところになります。

日商簿記検定は通常3級から受験を始めて2級・1級と上位の級を受験していきます。

2級まで取得できると基礎的なところ(ベース)ができてきます。

もちろん1級まで勉強することもありですが、なかなか難関ですし範囲外のものも多く含まれていますから税理士試験はそこまでいらないような気もします。

もちろん1級まで取得していると試験でかなり優位に立てますけど。

公認会計士試験でも1級まで取得していると勉強が相当楽になります。

つまり、日商簿記検定から勉強を始めて、それを基礎として税理士試験や公認会計士試験に臨んでいくのがいいと思っています。

簿記の知識もなくいきなり税理士試験や公認会計士試験を受験するのはおススメしないということです。

ちなみに私、公認会計士試験の勉強をしていたころ、とある失敗をしています。

日商簿記検定と公認会計士試験を同時に勉強していた

これは私が失敗したと思っていることです。

公認会計士試験の勉強を始めたときに日商簿記検定3級を取得していましたが、2級は勉強しませんでした。

公認会計士試験が上位資格だとすれば日商簿記検定は下位資格に位置付けられてしまいますので、

「公認会計士の勉強しているのだから日商簿記検定は当然合格できるでしょ!」

と思ってしまったのです。

結果的に、日商簿記検定の勉強をしていないために1級までの合格に5年かかりましたし、公認会計士の試験科目にある財務会計に対する苦手意識がついてしまいました。

いきなり上位の勉強をしたことで基礎がまったく身についていなかったのです。

変わった応用的な問題なら解けるけど、全員ができる問題が解けない。

日商簿記検定を完全に甘く見ていたのです。対策もせずに合格できるだろうと。

でも現実は厳しかったです。日商簿記検定1級になると、特に管理会計分野では公認会計士試験程度、いやそれ以上の問題が出題されることがあります。

それを対策なしに受験するなんてもってのほかなのです。

私のようなことにならないように、まずはしっかり基礎を作ってから上位の資格に挑戦したほうがいいかなと思います。

ちなみに、建設業経理士試験ですが、一見どの資格とも関連性はなさそうに見えます。しかし、日商簿記検定から派生したものと考えることができます。

いわば、日商簿記検定の「建設業」バージョンといったところでしょうか。

なので、日商簿記検定から基礎をつけていって建設業経理士試験を受験していくのがおすすめです。

いきなり建設業経理士試験を受験するのはちょっとやめておいたほうがいいかなと思います。

関連する導入的資格がなかったら入門書や入門講義から

一方、社会保険労務士試験はいきなり最上位の試験です。

(民間の資格もあるかもしれませんけど、詳しくはわかりません)

難関な国家試験で基礎的な勉強ができるような導入的資格がなかったら、書籍や資格予備校の受験講座に頼ってみるのもいいかなと。

書籍だと「入門書」と呼ばれる、その資格についてわかりやすく解説されている書籍があります。

それを読んでみて概要をつかんでからその資格の勉強を始めるといいと思います。

また、TACや大原などの資格予備校の受験講座では、「入門講義」という体系を理解する授業が行われていたりします。

ちなみに、私が受験した社会保険労務士試験ですが、受験予備校TACの入門講義から受講しました。

もちろん詳しくは本講義に入ってからですけど、今後の勉強の指針になったのは確かです。

導入的資格からのほうがいいと思う理由

難関な国家資格を受験するときには導入的な資格から始めたほうが、基礎が身につくと思っています。

また、もしその国家資格を残念せざるを得なくなったときに、今まで取得した資格で就職や転職に有利に働くことも考えられます。

ある友人は、公認会計士試験の受験をあきらめましたが、今まで取得していた日商簿記検定1級の資格を活かして民間の事業会社に就職しました。

私もそういう観点でいうと、公認会計士試験の受験をあきらめ国税専門官試験に方向転換しました。その時やはり日商簿記検定の知識がずいぶん役にたったのです。

難関な国家資格は絶対に合格できるとは限りません。

ひょっとしたらどこかであきらめなければならないこともあるかもしれません。

そのときに導入的資格から取得していくことで、別の道が開けることもたくさんありますから。

まとめ

今回は導入的な資格から勉強することの大切さを書いてみました。

これは私が失敗した経験があるからです。

なぜもっと日商簿記検定を真剣に勉強していなかったのだろうか。

簿記の苦手意識がなかなか抜けなかったのを覚えています。

何事もそうですが、基礎は大事です。

どこが基礎かと言われたら、「みんなができるところ、知っていて当然のところ」です。

そういう基礎で差がついたりしますから。

では。

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