このブログや事務所ホームページにかかげているのは、調査対応をメインとした業務です。
そしてあえて顧問契約はとらず単発業務で対応するようにしています。
こうやってほかの事務所とは違う部分を明確にすることもひとつかなと思ったりしています。
税務署での経験を活かす
私はこれまで会計事務所や社労士事務所での経験がありませんので、事務所で行うような一連の流れは把握できていません。
税務署では提出された書類を審査したり、それに基づいて調査に行くということがメインでした。
まったくできないわけではないですが、やはり不安はあります。
不安に思っていることをお客様に業務メニューとして提供するのは怖い。
だったら自分がこれまでやってきた仕事から、過去に経験したこと・勉強を積んできたことを踏まえたところで業務として提供させていただくことにしました。
過去やってきた仕事とは、
- 税務調査対応
- 源泉所得税事務
です。源泉所得税事務をしているときに社会保険労務士に合格しています。
その後、退職して実家へ帰ってきてからは、家業の仕事をする傍ら調査対応ができるように準備を進めてきました。
何を準備したかというと、具体的には、
- 税務調査対応マニュアルを作った
- 労働基準監督署調査、年金事務所調査対応マニュアルを作った
- 事前面談シートを作った
- 調査の経過書と報告書のひな型を作った
- 申告書と申請書のチェックポイントを整理した
自分の経験と勉強したことを織り込んだオリジナルのものです。
パソコンに向かって作業することで「仕事をした感」を出していました。
いつか開業するときに役に立つだろうと思って、修正したり削除したりを繰り返していました。
そして、いざ開業が決まった時に、まずはこの調査対応をメインにしようと思いつきました。
過去税務調査をしていた側ですが、私は実際にはそれほどバリバリに調査をやっていたわけではありません。
どちらかというと調査を受ける側だったら怖いなという気持ちです。
私がそう思うくらいですから、きっと実際に調査を受けるお客様からすればとてつもない不安を覚えるのではないでしょうか。
そういうお客様の不安を解消したいという気持ちで取り組めるように対応していこうと思っています。
顧問契約をあえて結ばない
顧問契約があると、毎月安定した報酬をいただけることになりますので事務所としては安定しますよね。
ずっとお客様に寄り添えますし、何かお困りのことがあったら対応できるというお客様からもメリットが大きいと言えます。
しかし、メリットがあればデメリットもあります。
- 連絡が頻繁にある
- 予定に拘束される
- 解約されるというリスク
- 顧問料の値下げ要求
- 無理な要求
私はどちらかというとデメリットを重視してしまって顧問契約を取らない方向にしました。
もちろん顧問契約を取ることを否定しているわけではありませんが、私はひとりで活動すると決めた段階で、顧問を請け負えるほどの余裕がないことがわかりました。
業務もあえて絞っているのは、自分の能力を発揮できるところに集中したいからです。
お客様から選んでいただくときにすでに制約がかかっていることになりますので、申し訳ないなと思いつつそこは仕方ないなと思うようにしています。
あと、もうひとつ大きな理由として、家業との兼業にあります。
家業の経理も担当しているので、毎月給与をいただいています。
少ない金額ですが毎月安定的な収入があるので、顧問契約を取らないという選択をすることができました。
空いた時間に自分のやりたいこと、提供したいと思う業務に力を注ぐことができます。
顧問契約を取らないとなるとその場限りの対応になってしまいます。
おそらくその対応終了後もサポートって一定期間必要だと思っています。
例えばセミナーを受講したとして、セミナー中は話を聞くことに必死で特に質問は思いつかないことってよくあります。
その後配布された資料を再確認してみると、疑問点がわいてきたりします。
その疑問点を解消したいのに、もう質問できないとなると困ってしまいますよね。
私の場合は、対応終了後3か月程度はサポート期間を設けて対応できるようにしたいなと思っています。
せっかくお申し込みいただいたわけですから、疑問点や不安なことを少しでも解消していただけたらと思っています。
さらに、もうひとつの理由として所得の分散があります。
顧問契約が1件解除になると安定収入が途切れてしまうことになるというリスクを負います。
所属する支部から年金相談や記帳指導、各税理士や社労士からお仕事をいただけるようになりました。
そういうところで少しずつでも収入を得られるようにしておくことで収入ゼロのリスクは回避できそうな気がしていますし、時間的な拘束も意外と少ないのかなと。
お客様の対応と自分の仕事スタンスとのバランス
今はどちらかというと自分の理想で動いているような気がして心苦しいところです。
もちろん多くのお客様の対応をしたい気持ちはありますが、過去のうつ病の経験からすべてのことに対応できるほど精神的に強くないということがわかりました。
- ひとりでやることに決めた
- 拡大路線ではない
- 自分の時間を持つことを重視した
過去のつらかった経験を踏まえるどうしても制限をかけざるを得なくなります。
ただお客様からご依頼をいただいたらしっかりサポートしていくつもりです。
事前に以下の方法で制限をかけさせていただいていて、ご了解いただけるからご依頼をいただきたいと思っています。
- 料金表を開示する
- 問い合わせフォームからのみ受けつける
- 電話で対応しない
ちょっとしたことを電話で聞きたい気持ちもわかりますが、すぐにお答えしていい内容なのかどうか。
ひょっとしたら意図が伝わらずにトラブルになってしまうかもしれない。
電話が怖いと思うのはそういうトラブルに巻き込まれた経験があるからです。
専門家としてどうなのかと言われたら申し訳ないのですが、
- 直接お会いする
- ZOOMなどのツールを使う
- メールで受け取る
などの方法でお願いするようにしています。
正直お客様からしたらもっと対応してほしいと思われるかもしれませんが、それで離れて行ってしまうのは仕方ないなと思っています。
まとめ
他の事務所と比べてみると、かなり異質かもしれません。
顧問契約を取っていない、業務を絞っているわけですから。
でも私はそれでいいと思っています。
お客様にご満足いただけるように特化して情報を収集したいですし、経験ももっと積んでフィードバックできたら最高だなと。
そうなれば自分も満足です。
では。
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