税務調査の基本的な流れ

税務調査は、基本的に調査官がお客様宅や会社へ伺い調査が行われます。

それまでに、調査に行きますという連絡から調査が終了するまでの間に一連の流れがありますので、その全体像を知っていただけるといいかなと思います。

大きく4つの段階に分かれます。ひとつずつ説明していきますね。

基本的に法人税調査と個人調査は変わりません。

*ここでは、個人調査については、個人事業主やフリーランス向けの所得税調査だとお考えください。

事前通知

まず、事前に調査官から調査に行くので日程調整をしてくださいという連絡がきます。

調査官から日時を指定してくることもあるかもしれませんが、基本的にはお客様側の都合のいい時に調整していただけます。

希望の日時をはっきりと伝えましょう

ただ、あまり先延ばしにしてしまうとよくありません。忙しいだけの理由で先延ばしは許されません。

先延ばしにすることで、逆に調査官に変な違和感や疑惑を覚えさせることになりかねないからです。

電話連絡をしないのも問題ですので、きちんと日程を調整して調査官に伝えます。

そして、実際調査の日時が決まると、調査官から事前にどういう調査をするのかの説明があります。

これを「事前通知」といいます。

ここで、この事前通知で確認してほしいことがあります。

調査の対象となる期間

過去何年間の調査が行われるのかを確認してください。3年間なのか5年間なのか。通常3年間ですが、5年間だと無申告、7年間だと不正を事前に調査官側で把握している可能性があります。

調査の対象となる税目

法人税なのか所得税なのかという、調査で対象となる税目です。

準備してほしい書類など

請求書や領収書や契約書など、事前に準備しておいてほしいと言われるものがあります。

担当者

「法人課税〇部門の××」など、実際調査に伺う担当者の名前を告げられます。

 

以上の項目を、調査官から電話で説明がされます。

きちんとメモを取り、特に担当者は聞き取り間違えないよう部門まで確実に聞き取りましょう。

一般的に多いであろう苗字の方が同じ部門や違う部署に数人いたりしますので、下の名前も聞き取っておくと安心です。

事前通知から調査当日まで

この間、3週間から2カ月くらい。ひょっとしたら短くなったり長くなることもあります。

この間で準備したり確認しておきたいことがあります。

資料の準備

事前通知の時に、調査官から指示された資料を準備しておきます。

過去何年間と期間も指定されますので、その年分の資料を用意しておき、いつでも調査官に見せられるように準備しておきます。

  • 総勘定元帳
  • 通帳
  • 過去の申告書の控
  • 請求書と領収書
  • 契約書など
  • 給与関係書類(源泉徴収簿など)
  • 消費税の計算明細   など

ほかに、調査官から指示された書類は必ず準備しておきます。

内容の確認

事前に資料の内容の確認をしておきます。

時間に余裕がなくても、ざっくりとでいいので見直しをしておきます。

ひょっとしたらこれ何?という自分でも不明な書類が出てくるかもしれませんし、これ計上もれている など、元帳に反映されていない取引が出てくるかもしれません。

この時、書類を隠すとか破棄するは絶対に止めましょう。

バレると不正行為で重加算税という思い罰金が科せられます。

事前に間違いが発覚した場合には、修正申告書の提出も検討すべきかもしれませんね。

事前通知後調査当日までであれば、修正申告時に課される加算税が軽減される可能性もあります。
(通常10%が5%に)

調査当日の流れ

だいたい10時頃に調査官は会社や事務所などに伺います。

午前中は、事業内容の確認が中心です。

業務内容・取引先・仕事の請求入出金の流れ、経歴や家族状況・従業員 など

うそはつかず、一連の流れについてきちんと説明します。

調査官から何度も同じことを聞かれる可能性もありイライラするかもしれませんが、あまりに理不尽であれば注意してもいいです。ただし、基本的には丁寧に対応するといいでしょう。

午後から申告内容の確認が始まります。

事前に準備するよう指示された書類や請求書・領収書・契約書などを元帳と照らし合わせながら確認ていきます。

この時に、調査官側から席を外してもいいと言ってもらえる場合もありますが、ずっと調査の立会いを代表者や事業主がしなければならないわけではありません。

調査官側が質問したいときに説明できればいいので、仕事に戻ってもいいか確認してみてもいいでしょう。

税理士が関与しているのであれば、税理士にその場を任せ仕事に戻ることも可能です。

個人調査であれば1日で、法人税調査だと2日。

法人税調査の2日目は、1日目の続きです。

法人税調査では、一般的に1日目に売上、2日目に仕入や経費・消費税・源泉所得税の確認などが行われます。

調査日後と調査終了

1日ないし2日間の調査が終わっても、それで調査終了とはなりません。

調査官が疑問点や不明点を整理して、電話がかかってきます。

この資料を確認してほしい、内容を確認してほしい、など。

その不足資料の準備と、疑問点や不明点について調べて、折り返し回答します。

できるだけ早めに回答するように心がけます。

もし長期出張などでしばらく対応できないなど、仕事の都合で準備に時間がかかるようであれば、すぐ調査官に電話連絡しましょう。

連絡が来ないとなると、最終的にいきなり会社や事務所に来てしまうことにもなりかねませんし、最悪不利な展開になることも予想されます。

そして、調査終了の際には、調査官から原則会社や事業主に対して「調査結果の説明」が行われます。

誤っていたら修正申告書を提出し追加納付をしたり、もし誤りがなければ「更正決定すべきと認められない旨の通知書」が送付されてきます。

これで調査が終了となります。

終了まで2カ月程度、長いと半年かかることもあります。

連絡を調査官と密にしておくと、調査終了が早くなる可能性があります。

まとめ

今回は、基本的な調査の流れについて書きました。

ほかの税理士も書かれていますが、私が経験した流れとそんなに変わらないかなと。

調査は慌てる必要も怖がる必要もありません

だいたいの流れを事前に確認しておくとスムーズにいくと思います。

次回は、税務調査を効率的に対応するにはどうするかについて書きたいと思います。

では。

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