私は開業するとき、会計事務所の勤務経験がありませんでした。
もちろん社労士事務所での勤務経験もなく、税務署を退職してからは家業の経理をやっていましたので、いわゆる士業の事務所での経験がまったくありません。
前職でも同僚から「開業しても意味ないよ!」「事務経験を積んでから開業するのが当たり前」などというご意見をいただき開業自体を躊躇していた時期があります。
実際、事務所へ転職してからでも遅くないしと思って転職活動をしていた時期もあります。
今回は、開業するにあたって事務経験があったほうがよかったのかどうかについて自分なりにメリット・デメリットを挙げてみたいと思います。
事務経験がないことによるデメリット
まずデメリットからお伝えしようかなと思いますが、もちろん事務経験がないのは不安で仕方ありません。
当然何もかも初めてですし、やってきた業務が少ないなら少ないほど不安も大きくなります。
ようは思い切った行動ができないという事態に陥ります。
- 変な質問がきたらどうしよう
- こんな書類見たことないし
当然最初は周りからはある意味驚かれます。驚かれるというか冷ややかな目で見られます(苦笑)。
私の場合、社労士業務はほんとうに知らないことが多くて苦労しています。
税理士業務でもやったことないことは不安です。
税務署職員はあくまで提出いただいた書類を確認することがメインです。実際に作成したりすることはあまり多くありません。
どこを確認したらいいかというのはなんとなくわかりますけど、実際にどういう風に入力するかは経験がないのです。
そんな苦労はずっとあります。
新たな問題が出るたびに立ち止まって確認する時間が必要になるというのはデメリットかもしれませんね。
ご依頼いただく業務も制限されます。
自分ができそうだと思える業務が限られますから、ついできなさそうな無理な業務でも引き受けてしまいがちです。
最初はとても悩みました。
ご依頼いただきたいですしね。
事務所に勤務してから独立していたらきっとスムーズに進めていくんだろうなと思ったり。
デメリット以上のメリットがあると思う
実際はというと、開業して正解だったと思っています。
事務経験がないことで誰にも染まらず自分の考えで行動できるのは大きなメリットだと思っています。
事務所で勤務しているとその所長の意向が反映されたりするようです。
会計や給与計算ソフトは指定され、仕事の進め方ひとつとってもめんどくさそうです。
事務経験がなければ会計ソフトなどは操作できないのか?というとそういうわけでもなく、マニュアルを見たり操作の不明点は直接センターで確認できます。
会計や労務の知識がまったくないわけではないと思うので、使っているうちに慣れてくるような気もします。
今マネーフォワードやSmartHRを使っていますが、実際ほかのソフトも使ったりしますし、やろうと思えばどんなソフトでも操作はできると思います。
すぐに導入できる、すぐに対応できるというのはいいことだと思います。
また、事務所の運営も自分で考えて方向転換することもできます。しかも簡単に。
当初から考えが変わったらすぐメニューをしれっと変更すればいいですし。
あと、これは先ほどのデメリットで挙げたことと真逆で、業務の範囲を広げなくてすむというメリットもあります。
自分が過去に経験してきた業務で今後もやってみたいと思う業務に特化することができます。
興味もない業務をやろうとすると、それでご依頼があればまだなんとか我慢しますけどないのならやる気もなくなります。
我慢することも辛いと思いますけど…。
私はこれまで経験したこととして目立っているのは「税務職員」・「社労士受験」・「うつ病&パニック障害」くらいです。
しかし、それを悲観的に考えるのではなく、それら経験したことを業務にすればいいんじゃないかなと。
ただ、税務調査だけに特化するのではなくて社労士登録もしたから行政調査を加えるとか、障害年金の分野に特化するとかバリエーションを増やすようにしています。
また、何も知らないからと言えば最初はきちんと教えてくださる環境にあるということ。
まったく知らないわけではないので話をすると理解していただけます。
そのときはすぐにメモを取ってきちんと確認をするようにしないといけませんけど、最初から突き放されるようなことがないのはびっくりしました。
税務署内で先輩や上司に相談してもいい回答は得られないことのほうが多いです(苦笑)。
あと自分の生活リズムが作れやすくなりました。
やっぱり9時17時勤務で土日祝日休みは向いてなかったなと。
今は平日休日問わずこうやってブログを書く・勉強する・時には仕事をしたりする一方で、空いた時間に平日でもジムで泳いだり出かけたりできます。
休日だからといって何もしないというもったいない過ごし方をすることはなくなりました。
勤めには戻りたくないとおっしゃる方が多いのも納得です。
まとめ
結局今のところは、事務経験がなくてもなんとかなるような気がします。
もちろん営業についてはもっとやりようがあるように感じますが、私のようにそこまで拡大志向がないのなら実務にあたりながらでいいと思っています。
たまにミスもしますし役所の職員に馬鹿にされることもあります。
でもそれは仕方なくて、次回同じようなことをしなければいいと思うのです。
実務経験がないことで不安が大きかったのですが、仕方ない・とりあえずやってみると決めてから何事も前向きにとらえられるようになりました。
もし開業に躊躇されている理由が実務経験が少ないということならば、あまり気にしなくてもいいよと伝えたいです。
では。
[事務所お知らせ]
編集後記
そろそろ営業の仕方を考えたほうがいいのかなと感じています。
ホームページを大改良してから日にちが浅いので、業務メニューを知っていただくことと・私のことを知っていただくことが大事かなと。
そのツールとして平日毎日ブログを更新し、ブログを公開したらTwitterで通知するようにしています。
本当なら外に出て営業したり営業代行会社に申し込むなど営業をしようと思うといくらでもできそうですが、まずは自分の事務所ホームページの充実が先かなと。
ご依頼いただくまで相当時間がかかるのは承知のうえで、ブログで取り上げる記事の内容を考えるかもっと数を増やしてもいいのかなと。
しかし、平日毎日投稿という計画を崩したくないという気持ちもありますし記事の内容を深く考えていると投稿できなくなりそうな気がして悩ましいところです。