こんな話していいのかどうかわかりませんが、「やる気のない調査官もいたよ」というお話をしたいと思います。(もう10年以上前の話なので時効で…)
税務調査を切り上げて喫茶店?
仕事してないの?
そう思われていてもおかしくないような行動を取ってしまい、そんなときに限って事件が起こったというお話です。
何も見つからない調査
私が調査官2年目のとき、すでに一人で税務調査に出かけてなんとか誤りを見つけて帰ってくるというような日々を過ごしておりました。
法人税の調査は基本的に2日間会社へ伺います。
1日目は会社の概況をお聞きして帳簿の調査を少し、2日目は丸一日帳簿調査をして終了となるのが基本です。
今回伺った会社は、取引も多くなく特に誤りらしいものがありませんでした。
統括官から指示されていた事項も確認しましたが問題もなさそうで、1日目の終わりにはもう終盤を迎えるような感じになっていました。
一応、単純な誤りがほかにあったために修正申告書の提出を依頼することで社長も関与税理士も納得されておりました。
1日目帰署したときに統括官へ報告をして、2日目は特に誤りがなさそうなら早めに帰ってきていいよと言われていました。
そして、2日目、いつものように午前10時にお伺いしたものの特に誤りもなく11時ごろには調査を終了させました。
帰りに喫茶店に入ってくつろいでいると…
ちょうどその日は寒かったので、会社を出てから税務署へ戻るまでにあった喫茶店に入りコーヒーを注文。
午後から特に予定もなかったので、昼食を食べてから税務署に帰ろうかと考えていました。
そのときです。
その喫茶店に先輩調査官が入ってきたのです。
その先輩調査官は隣の部門の方で、昨日早めに帰ってきていいよという統括官の話を聞いていた方でした。
「あっ、やばい、見られてしまった」
と思って視線をそらしたものの顔がばれてしまいました。
さぼっているところを見られてしまったのです。
でもその先輩調査官もちょっとバツが悪そうです。
なぜなら先輩調査官も実は調査が早く終わったため時間つぶしでこの喫茶店に来ていたのです。
お互い目を合わせ「これは内緒にしよう」と言われ私はそそくさと喫茶店を後にしました。
さぼっていた…。
確かにそうだよなと。
本来なら調査を早めに切り上げる必要はなかったはずです。
2日間本当にきちんと調査できているのかもわかりませんからね。
しかもまだ調査2年目の超若手職員が調査をしているときに喫茶店にいたわけです。
本当に恥ずかしいですし、上司にバレて猛烈に怒られてしまうのではないかと不安になりました。
結局帰ってきてから上司は何も知りませんでしたし、特に先輩調査官からも何も言われませんでした。
私も当然何も言っていません。
出張の醍醐味ではあるけど仕事中はやっぱりまずい
出張をしていると、昼食は外食。
その後喫茶店に入って午後から再開するのが通常です。
外出できるのですから普段行かないようなおいしいお店を回ったり喫茶店でゆっくり過ごすということも当然にあります。
しかし、今回のように午前11時ごろというと調査しているはずの時間です。
そんなときに職場の同僚に会うとちょっときまずいですよね。
この出来事があってからは、誰かに見られているということを意識するようになり、ひとりで出張するときは昼食時以外は寄り道をせず税務署に直帰することにしました。
当然と言えば当然なのですけど。
最大の問題は調査の出来
一番反省したのは、やっぱり調査官としての態度が悪かったなと思うのです。
調査をこれで終わらせてよかったのかなと。
ほかに確認すべきところがあったのではないかなって。
そう思ってしまうということは、絶対に調査を終わらせてはいけなかったのです。
自分が納得していないからこんな気持ちになるわけで。
誤りを見つけたから「さあ帰ろう!」ではなく、ほかにもありそうだという考えがまったくありませんでした。
統括官から指示されているところでもなかったからまあいいだろうと思っていたのです。
その考えからしていけなかったです。
まとめ
それ以来、税務調査の途中でさぼることはしなくなりました。
この件は同僚職員だったからまだまし(?)だったかもしれませんが、もし調査先の関係者だったらどう思うでしょうか。
喫茶店でさぼっている職員が目の前にいるわけですよ。
そりゃムッとしますよね。
絶対税務署に戻って仕事をしていると思っていますからね。
誰に見られているか分からないからこそ行動には気を付けようと気づかせていただいた事件です。
では。
[事務所お知らせ]
編集後記
昨日は年金相談センターでの相談のお手伝いというか勉強をさせていただこうと思って出かけてきました。
相談は1件だけで、事前にお問い合わせいただいた質問について回答するということでした。
昨日の相談担当社労士と先輩社労士から質問内容を教えていただいたのですが、正直ここまで答えられないやと思ってしまいました。
受験の知識がいかに断片的だったかというのがよくわかります。
いや、ほんとにまずい。
年金事務所で配布してあるパンフレットを一式いただき勉強することにしましたし、先日購入した年金相談事例集を読み込もうと思います。
いろいろ説明してくださったのですが、略語が多いのも気になりました。
その略語はもちろん相談者には伝えませんが、社労士の中では知っていて当然なんだろうなと。
ショウトク(特別支給の老齢厚生年金の障害者特例)・ショウキ(障害基礎年金)・ジュハツ(受給発生)…。
当たり前に使うようになるのでしょうか。