障害年金ってどんなイメージをお持ちでしょうか?
障害をお持ちの方が公的に受け取れる年金という言葉通りといえばそうなのですが、障害にもいろいろありますよね。
- 身体的な障害=障害年金がもらえる
- 精神的な障害=障害年金がもらえない
私も以前はこのような極端なイメージを持っていました。
しかし、精神障害でも障害年金を受け取れる可能性があります。
今日はそんな障害年金についてちょっとお話してみようと思います。
障害年金の認知度が低い
私が障害年金に興味を持ったのは、ある書籍に書いてあったこの一文からでした。
お恥ずかしい話、私は社労士試験の勉強中にはじめて障害年金のことを知りました。
どうしても身体的な障害者の方がもらう年金と思われがちですが、実は精神障害でももらえるケースがあるというのです。
障害を負わない限りは制度を利用することがありませんので世間の認知度はそれほど高くないというのが実情なのかもしれません。
私も実際に「うつ病」という精神障害を負ったことでこの年金制度に関心を持って接することができていますが、もっと障害年金を周知する必要があると感じています。
もし、現在健康体であったとしても前触れもなく障害を持ってしまうこともあると思うのです。
特に精神障害だと、急に緊張の糸が切れたかのように仕事に行けなくなるということもあります。
そんなときご家族や周りの方、またご本人がこの年金を把握しているかどうかで対応も変わると思っています。
障害年金を受け取る場合には、保険料を納付していることが必要です。
働いていた方であれば、すでに保険料は納付されていますから障害年金を受け取れる権利をすでにお持ちなはず。
しかし、障害年金を受け取ることについて抵抗がある方も少なくないそうです。
「世間の目」も気になってしまうのでしょうか。
自分は障害ではないと心の中で思いたいのでしょうか。
でも、先ほども書きましたように、これまで保険料をきちんと納付してきたという義務を果たしたことによる権利なので、受け取ることにためらう必要はありません。
むしろ積極的に受け取っていただきたいと思うのです。
この障害年金だけだと生活ができないという方がいます。
でも、仕事ができない状況のなか無理をせず年金をいただきながらじっくりと時期を待つというのは精神的にも落ち着きますよね。
生活資金がなくなるって不安な要素だと思いますから。
もらえる額は少ないかもしれませんけど、まったく申請しないよりははるかにましです。
働いていた方なら精神障害を負ってしまったとしても誰でも申請できる権利を持っているということをご理解いただけたらなと思っています。
申請までの大きな壁
ただなぜここまで世間に浸透しないのでしょうか?
書籍を読んだときに感じたことを2つの視点でまとめてみたいと思います。
手続きが複雑すぎて自分で申請しづらい
実は65歳から受け取ることのできる老齢年金や遺族年金などとは違って手続きが複雑です。
障害年金を受け取るためにはいくつかの要件を備えている必要があります。
- 初診日要件
- 保険料納付要件
- 障害状態要件
これら要件を備えるために、いろいろな書類が必要となります。
保険料納付要件は働いていた方なら会社などから給与支給時に天引きされているでしょから満たすことが多いかなと思います。
しかし、そのほかの要件は書類の整え方いかんでもらえるか否かが大きく変わってきてしまうのです。
障害年金の認定はあくまで書面で提出して判断されますので、この書類の揃え方が大きなポイントになってきます。
書類として必ず準備してないといけないものとして、
- 医師の診断書
- 病歴・就労状況等申立書
- 裁定請求書(年金請求書)
があります。ほかにも添付書類ですとか、証明できない場合にはほかの書類も作成する必要があったりします。
これをすべて申請者ご本人やご家族がされるのはかなり大変だと思われます。
申請をするには年金事務所や役所に行く必要がありますし、書類に記入するのも一苦労です。
また「医師の診断書」というのが大きなポイントでして、これまでの受診状況を知る人なのでこの診断書の内容いかんで判断が大きく変わることも考えられます。
診断書は障害年金申請専用の診断書でして、記載事項が大変多いです。
医師は普段から忙しいのに時間を取って書いていただく診断書ですから、まず診断書を書いていただくことからハードルがある場合もあります。
診断書の作成を拒否されるという場合もあります。
ご自身で書くより誰かのサポートを受けながら書類を一緒に作成していくという方向で進めていったほうがいい手続きだと考えています。
受け取れるまで時間がかかる
申請してから実際に入金されるまで3か月程度はかかると思われます。
しかも待たされた挙句「不支給」と決定を受けることもあります。
申請したら内容の確認をするのは役所です。
書類審査をしているということもあって、内容をすべて精査をしています。
書類不足を指摘されたり訂正させられたり。
その都度、申請者やそのご家族が年金事務所に足を運ぶ手間が出てきます。
申請してからの時間がかかるのは正直苦しいところです。
もっと早く審査をお願いしたいところではありますけど。
まとめ
今回は障害年金の記事の第1弾として、まずは大枠を知っていただきたく障害年金に関する「乗り越えなければならない壁」を中心に書いてみました。
申請しても必ず受け取れるとは限らないのが大変なところです。
書類作成も複雑ですから、とにかく申請までにも時間がかかります。
障害をお持ちのご本人がされるのは酷だなと感じます。
多くの方に障害年金の申請をしていただき、今後の生活の基盤を作る準備をしていただけるようサポートしていきたいと考えています。
まずは一歩踏み出してみませんか。
では。
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