先月から記帳指導が始まりました。
- 記帳をしないといけないことはわかっているけどどうしたらいいかわからない
- 記帳の仕方を教えてほしい
今回担当させていただいている方はみなさんとても熱心ですごく助かっています。
ただお話させていただくときには、できるだけご希望を尊重してすべてのことをお話しないように心がけています。
すべてをやろうとするとつまづいてしまい、記帳自体がしんどいものだ・めんどくさいものだと思われてしまって結局振り出しに戻るというのを避けたいのです。
1回目を終えてさらに実感しています。
経理する能力は人それぞれ
担当させていただく方のおひとりは、前年の申告書を役所の担当者に聞きながら作成したため何をやっているのかが理解できなかったそうです。
請求書や領収書は保存されていても整理されていない。
記帳の仕方もよく分からない。
そういう方なら記帳の大切さから簿記の内容をご説明させていただくことになります。
一方、昨年の申告書はご自身で作成されていて、領収書や請求書もノートにはって管理されご自身で金額を集計されている方もいます。
その方はもっと効率的に経理をしたいという思いのもと記帳指導を受けようと思われたそうです。
簿記のことを比較的ご理解いただいていて、お話がスムーズに進む場合ですね。
つまり、人によって対応の仕方はまちまちだということです。
事前にお伝えしなければならないことを資料としてお渡ししましたが、説明を一からさせていただくことになりました。
一方で、ある方は部分部分の説明でOKだと。
お話をお聞きして柔軟に対応しないといけないなと実感しました。
本当に求められていることにお応えして、ご自身で記帳をしていただくこと。
なので、1回目を終えた段階で相手に合わせて対応する大切さを学びました。
初めての方にすべてをお伝えしても混乱する
税務署から記帳指導として対象者の方に伝えてほしいという項目がたくさんあります。
1回目でお伝えする内容として源泉所得税と消費税があります。
消費税はインボイス制度や軽減税率制度も含めてです。
しかし、今すぐこの内容をお伝えすることが有益なのかどうか、ということです。
記帳指導の対象者はみなさん免税事業者です。
事業者ではなく消費者との取引が多いためにインボイス制度の登録する必要があるかは不明です。
おひとりで事業をされていて従業員を雇っておられませんから源泉徴収義務もありません(今のところ)。
現段階では記帳方法をご説明したり請求書や領収書の保管方法をお話することのほうが大事だと考えました。
消費税や源泉所得税のお話は将来的に必要になると思われますが、今はまだ必要ないのかなと。
でも記帳をするうえで請求書や領収書を見たときに消費税や源泉所得税があった時にどう処理していくのかが大事かなと。
なので、すべてをご説明するということはせずに時間がなければ資料としてお渡ししておくだけで触れなくてもいいかなと。
もちろん、資料を配布させていただいている以上はご質問にはすべてお答えするつもりですが、まず根幹をご理解いただけるようにしていきたいと考えています。
すべてをやろうとすると挫折する
記帳指導を希望される方は基本的に意欲的な方だなと感じます。
税理士に丸投げしたいところをご自身で記帳してみたいという方ですから。
しかし、1回目を終えて思ったのは資料を配布しての説明は最低限にして、あとはご自身の実情に合わせた経理記帳方法をアドバイスしていくべきだなと感じました。
先ほども書きましたけど、人それぞれ状況が異なります。
ここまでお話しなくてもよかったなと思うところもあります。
混乱させてしまったかなと思って。
こちら側のスタンスはあくまでご自身で記帳していただき決算書・申告書を作成していただくサポートをするということにあります。
一方的に説明するのではなく、最低限のことをお話するにとどめて実践でご説明するという方向にすればいいのかなと感じました。
まとめ
11月の今月は、基本的に10月の続きです。
書類管理の徹底と記帳を実際にやってみてください、とご説明させていただきました。
ご説明すべき部分とそうでない部分がありそうなので、そこはご本人をご意向に沿いながら考えていきます。
「もう記帳はやりたくない」と思われてしまうのは辛いところです。
ある人からは「こんなにめんどくさいのですね」と言われてしまいました。
たしかにその気持ちもわからなくはないです。
でも、記帳の取り組み方ひとつで負担感が変わってきます。
毎日記帳する。毎週・毎月確認する。
ためてしまうからめんどくさいなとか嫌だなと思ってしまうのかなと。
担当させていただく方は、請求書や領収書すらまだ整理されていない状況でした。
まずはその整理と記帳の大切さを知っていただくこと。
これをご理解いただけたらこちらとしてもまずは最低限の目的達成なのかなと感じています。
すべてをやろうとすると失敗しますから、少しずつ取り組んでいただければというのはお伝えするようにしています。
では。
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