個人の方が住宅を新築したり購入したりすると、一定の要件を満たせば住宅に住み始めた年分以降の所得税額から控除することができます。
住宅借入金等特別控除という名前で呼ばれたり、一般的には「住宅ローン控除」などと呼ばれたりします。
実はここ数年で頻繁に改正が行われており、借入金がなくても控除できたり、住宅の種類や新築や購入以外に増改築も対象になったりと複雑化しています。
今回は、住宅ローン控除の概略と、いつも参考にしているチェックシートについてご紹介してみたいと思います。
住宅ローン控除の名前と控除期間をまとめてみる
住宅ローン控除には以下の6つが規定されています。
カッコ書きは控除できる期間です。
- 住宅借入金等特別控除(10年または13年)
- 住宅借入金等特別控除[認定住宅](10年または13年)
- 特定増改築等住宅借入金等特別控除(5年)
- 住宅特定改修特別税額控除(1年)
- 認定住宅新築等特別税額控除(1年)
- 住宅耐震改修特別控除(1年)
うーん、名前が難しすぎます。
特定増改築やら認定住宅やら用語もイメージできないかも…。
そこで、新たに住宅を新築・購入した場合と、今ある住宅に増改築等をした場合に分けてみます。
そのうえで、借入金が必要なのかそうでないのかを考えてみるとわかりやすくなるかなと思います。
「図解・表解確定申告書記載チェックポイント」 より一部追加修正
住宅を新築または購入した場合
認定住宅の「認定」とは、簡単にいうと認定されたことが証明されているものです。
認定だと、控除額や借入できる限度額が有利になっています。
ちなみに、
住宅を増改築等した場合(増改築・耐震改修など)
増改築等の工事の内容によって用語が変わりますので注意しましょう。
名古屋局税局の「適用要件チェックシート」
住宅ローン控除は適用を受けるためには様々な要件と添付書類が必要です。
国税庁ホームページにある確定申告書等の手引きの中には、
など、判定表からそれぞれの書類への書き方もあるのですが、ちょっと使いにくいなと感じていて。
そこで、私は名古屋国税局が作成しているチェック表(以下、チェックシート)を確認するようにしています。
例えば、住宅の新築・購入の場合は以下のように4ページにあるチェック欄をチェックしていけば必要書類まで判定することができます。
チェックシートを使ったほうが分かりやすい理由
私は正直住宅ローン控除の判定は非常にめんどくさいと感じているので、上記のチェックシートがあると助かります。
用語が難しい 口頭での説明は無理
なにせ税額控除の説明で使われる用語が非常に難しい。
- 特定取得:住宅等の取得対価の額に含まれる消費税等の額が8%か10%によるもの
- 特別特定取得:住宅等の取得対価の額に含まれる消費税等の額が10%
- 特別特例取得:特別特定取得のうち、以下の期間内に契約されているもの
・新築:令和2年10月~令和3年9月
・分譲、中古、増改築:令和2年10月~令和3年11月 - 特例特別特例取得(!?):特別特例取得のうち床面積が40m3~50m3
これでも簡単にしてみたつもりですけど、特別特例やら特例特別~、なんやらよく分かりません。
適用できるかどうかの説明も正直口頭で説明するのは正直忘れてしまいそうです…。
自分でも混乱してくるので。
そこで、こちらのチェックシートを使うと自分の勉強にもなるし説明しやすくなります。
添付書類の説明をこのチェックシートでお伝えできる
国税庁ホームページにあるものは別シートになっているので使いにくさがあります。
住宅ローン控除は添付書類もれが非常に多いです。
チェックシートを埋めていくと必要な添付書類が分かりますのでミスは減ると考えています。
令和3年分は改正がある
これまで住宅ローン控除では、床面積50m3以上で合計所得金額3,000万円以下の場合に適用ができることになっていました。
しかし、令和3年中に居住した人で、特別特例取得による場合、床面積が40m3以上50m3未満でも合計所得金額1,000万円以下であれば住宅ローン控除できます。
特別特例取得とは新型コロナウイルスによる影響で新たにできたものです。
新型コロナウイルスの特例と直近に行われた消費税率の引き上げによる特例とが合わさってしまいわかりづらくなりました。
まとめ
住宅ローン控除について正直すべての要件を理解しているかというと自信がありません。
なので、私なりに整理してみたことと、適用要件をチェックするシートをご紹介してみました。
今回の記事が参考になれば幸いです。
では。
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