税務職員の時には多くの方に支えられました。
体調不良が続き休職をしてしまったときも、復帰の際には温かく迎えてくださいました。
その中である出来事が私の中でずっと心に残っています。
法人特別国税調査官部門へ3年目で配属
入庁3年目、まだ調査も十分に身についていない中でいきなり都心署の法人特別国税調査官部門へ配属となりました。
この「特別国税調査官(通称、特官)」というのは、幹部のお偉い方です。調査経験の長い方・国税局の幹部だった方など、50歳以上のベテラン職員です。
私はその特官を支える「特別国税調査官付(通称、特官付)」として配属されました。
特官付も上席と呼ばれる40歳以上の職員が大半で、その時私は27歳。すぐ上の先輩で35歳くらいだったと思います。
まず一番下っ端でしたので、特官7人分のテーブルを拭く、コーヒーやお茶の準備をするなど、多くの日課がありましたので早朝から夜遅くまで気を使うことが増えました。
もちろん特官に仕事をお任せするわけにはいきませんので、かなり夜遅くまで仕事をしていました。
ただ、3年目の私は、正直何も分かりませんでした。
担当の法人特別調査官との出会い
法人特別調査官部門は、比較的大きな法人の税務調査を担当しており特官と特官付2人で基本的に週5日程度調査に伺います。
私とペアを組んだ特官は、指導には厳しくでも時には優しい方でした。
まだ3年目だった私をしっかり指導していただきました。
失敗ばかりの連続でしたし、実際途中からあまりに怒られるので怖くなってしまうことも。
調査展開も理解できず、何をどうやってこの書類が重要だと判断したのか理解できないこともありました。
調査がうまくできない。。
調査後の書類まとめでもよく怒られました。
その特官は資料を作成するのがうまく、パソコンも使い慣れている方でした。
私が適当に作ってしまった資料を、一から作り直すほど。
もう情けなくなりそうな毎日でした。
しかし、その特官と一緒に行った調査はなぜか全て覚えています。
数年たってからふとその時のことを思い出し、「あ、そういうことか」と気づくことも多かったです。
もちろん、出張先で昼食をともにするので、たくさんの貴重なお話をしていただき、たまに大笑いしながら時には真剣な話をしながら毎日過ごしていました。
私はその時にすでに抗不安薬を飲んでいましたが、特官に迷惑がかかると思い何も言っていませんでした。
しかし、ある時祖父の死と仕事の辛さが重なってどうしても精神的につらくなり特官に打ち明けることにしました。
すぐ税務署長や副署長・他の特官に話を回してくださり、仕事も一部減らしていただくことになりました。
また、周りの特官付の方にも話していただき、気分が晴れるように話かけていただけるようになりました。
結局、その年の最後の方は調査という調査ではなくなってしまいました。
その特官はその年度で他の税務署へ異動になりました。
私は同じ税務署の調査部門から外れました。
異動日前日、部署の有志で飲み会が行われていました。
私はもう特官に向ける顔はないなと思い出席しませんでした。
そうすると、一緒に飲んでした先輩から「特官が一緒に飲みたがってるよ」という電話が。
夜の通りでひとり大泣きしてしまったのです。
「特官の顔を見ると泣きそうです」と先輩に伝え、帰らせてもらうことにしました。
結局、その部門には1年しかいませんでしたが、とても貴重な経験をさせていただきました。
申告書のチェックや、調査のまとめ方、会社や税理士とのやりとり。
この時の経験がベースになっています。
みんな個性的だった法人特別国税調査官部門
部門の他の方々も、個性的で衝突したりすることもありましたが、とてもおもしろい部門でした。
こわもての特官、大学院を卒業した特官、お酒好きの特官。。
厳しいことも言われましたが、若手なんだから色々経験してみろとよく言っていだだきました。
また、特官付のメンバーも大変お世話になりました。
仕事で行き詰るとサポートしてくださったり、特官の愚痴を言い合う?ような飲み会もありました。
特にすぐ上の先輩とは、毎週のように夜遅くまでファミレスで話し込むことがあり、それがあったからなんとか1年持ったようなところがあったのかもしれません。
その先輩は、今現在幹部をされています。
数年前に7年ぶりに同じ部門でお世話になり、食事をしたり悩みを聞いてくださったり。
私が退職してから和歌山へ帰る前に、都内のホテルでお別れ会を開いていただきました。
本当に感謝していますし、多くの方に助けられていたんだなと実感することができました。
まとめ
今回は、特官部門での多くの出会いとうれしくて大泣きした話について書きました。
特官とはその後お会いできていません。
家が遠いのでなかなか行くこともできず。
先輩とも、税理士登録をしてしまうとなかなか会いづらくなってしまうので残念な気持ちです。
税理士になっても先輩方との交流は続けていきたいんですけどね。
なかなか難しいんでしょうか。
では。
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