簿記を初めて勉強したのは大学1年生。
中央大学に入学してすぐ学内にある「経理研究所」に入ってからなのでかれこれ20数年たちます。
最初は理解するまですごくつらかったですし、簿記検定になかなか合格できませんでした。
しかし、今こうやって税理士となり事業主の方に記帳指導を行うまでになりました。
簿記を勉強しておいてよかったなと感じます。
仕訳ひとつ切るのも一苦労だった
最初は仕訳を切ることからして意味がわかりませんでした。
借方・貸方とか言われても
「は?」
って。
しかしその仕訳を切って元帳を作り、損益計算書や貸借対照表を作っていくという一連の全体の流れがわかってくると少しずつ理解が進むようになりました。
まだ大学生でしたので、簿記検定のための勉強をしていました。
問題が解けるようになり、貸借対照表の貸借が一致したときの感動を今も覚えています。
ただ徐々にその感動も薄れていくことになります。
【事務所お知らせ】ハードルが高かった公認会計士試験
日商簿記検定の勉強と同時並行で公認会計士試験の勉強を始めましたが、私には難しすぎました。
組織再編やら連結会計などが当たり前に出題されるようになるとなかなか貸借が一致するということはなく、できるところだけを解くという方針に変わりました。
徐々に簿記の楽しさも忘れていき、
嫌だな…
と思うようになりました。
簿記を教えるという楽しさを知る
しかしあることがきっかけで簿記を教えることが楽しくなりました。
それは、税務職員が採用後受ける専門官基礎研修と、その後に行われる専科研修で簿記委員をやらせていただいたことでした。
基礎研修では簿記未経験の同期に日商簿記3級の基本から教えていくわけです。
専科研修では日商簿記1級レベルの問題を解き解説を行っていました。
毎回どのように教えたら理解してもらえるのだろうかを日々考えることができたのは大きかったですね。
中小法人や個人事業主に複雑な簿記知識はいらない
税務職員となり税務調査で訪れた会社や、確定申告で対応した個人事業主にご説明するにあたって、連結会計や企業結合など複雑な知識を教える必要はないのです。
それよりも、日商簿記3級レベルの内容を実務と絡めながらお伝えするのが大事だというのが分かりました。
「実務と絡めながら」がポイントで、実務経験がなかった私はこれまでいかに試験問題を解けるのかに力点を置いていたんですね。
しかし、法人や個人事業主にとって試験に合格する目的で簿記を勉強するわけではないんですよね。
日々の経理記帳をしていただくことがまず第一なのです。
日々の経理記帳ならまず仕訳を切ってもらうことと決算書を作ってもらうこと。
ここまでできる方は意外と少ないと思うんですね。
そもそも経理自体税理士などに丸投げされている方も多いですし。
最初、どう仕訳したらいいか分からなかった方が少しずつ経理記帳されて自分で決算書を頑張って作ろうと努力されている姿を見ると、本当にうれしくなります。
この教え方でよかったのだろうか
ご理解いただけているのだろうか
教えるときは気になるものです。
今思うのは、自分の事業で使う範囲で経理記帳してもらうこと。
そして、自分でできた!という経験をしていただくこと。
私が初めて簿記を勉強した「あの感動」を味わっていただけたらうれしいなと思っています。
まとめ
簿記を勉強したことで簿記に関するあらゆる資格試験に合格することができ、勉強をした証明を作ることができました。
実務につくときにもほかの同期より早く慣れることができたかなと感じます。
実際、税務職員になり簿記を教えるという「楽しさ」を知ることができましたので。
では。