「金融商品の税金」は避けてきたけど勉強してよかった

金融商品をググってみると、

銀行、証券会社、保険会社など金融機関が提供・仲介する各種の預金、投資信託、株式、社債、公債、保険などのこと

を指すようです。

会計や金融の分野では専門的な定義が別にあります。

これまで「金融商品にかかる税金」についてなんとなく知ってはいましたが、内容が複雑だからという理由で避けてきました。

しかし、今回の確定申告で株譲渡や配当のご相談を受けたのをきっかけに勉強を始めました。

これまで金融商品に苦手意識があった方も避けずにぶつかってみると印象が変わると思います。

その点で勉強しておいてよかったなと感じています。

「専門外です!」と避けてきた

これまで金融商品取引は自分に身近ではなかったことと、親族の誰かが株で失敗したという話を両親から聞いていたこともあり、なるべく触れないようにしていました。

税務職員になってからも法人課税部門であったこともあって質問されたとしても「専門外なので」といって明言を避けていました。

しかし、毎年確定申告業務を行うときに全く分かりませんはさすがにまずいなと。

あと、個人的に一度きちんと勉強をしておこうと考えていました。

金融商品の税制が複雑化してきており、

  • 選択方法によってお客様の納税額に影響を与えること
  • 所得額が変わることで、住民税や国民健康保険・介護保険料にまで影響を与えてしまうこと

を考えたらうかつに相談に乗ることはできないんじゃないかなと思ったんですね。

あと、ご提供させていただいている業務自体が小規模法人やフリーランス・個人の方向けであることも踏まえると、株取引や配当は普通に取引としてあり得るのかなと。

近所の税理士を見てみるとあまり取り組まれていないようなので差別化できるかもという側面もありました。

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用語の意味を押さえる

金融商品の税金でまずつまづきそうになったのは用語でした。

実際に自分が取引を経験していないとイメージがつきにくいのかなと。

上場株式なら東京証券取引所で上場されている会社の株式ってイメージできるかもしれませんが、投資信託や受益証券発行信託になると「??」になるかもしれません。

まずはこの言葉の内容を理解することから始めました。

例えば、「公募株式投資信託」という用語。

一見何を言っているのか分からない長い用語ですが、複数の言葉が組み合わさった用語であることが分かります。

用語はその都度ネット検索や本で確認しています。

  • 公募広く一般に募集すること↔特定の人なら「私募」
  • 投資信託:多数の投資家から販売会社を通じて拠出された資金を、運用会社に属する資産運用の専門家が、株式や債券、金融派生商品などの金融資産、あるいは不動産などに投資するよう運用を指図し、運用成果を投資家に還元する金融商品
    専門家に運用をおまかせ(信じて託す=信託)
  • 株式投資信託株式に投資することができる投資信託
    ↔公社債投資信託:公社債(債券)に投資することができる投資信託

検索すると図解してくれているものもあります。

条文の理解は図解で

金融商品は、運用していたり保有していると所得が発生します。

その所得については所得税が発生して確定申告が必要になります。

金融商品で発生する所得は、利子所得・配当所得・譲渡所得です。

しかし、配当所得や譲渡所得には例外的な取り扱いもあり複雑になります。

そこで、税制についても条文で理解するよりは図解でまず理解されると分かりやすいのかなと思います。

参考になった本は先日もご紹介させていただきましたが、この図解で8割をカバーできていると著者の先生がおっしゃっていました。

申告書や明細書を作ってみる

ただ本を読んでいるだけだとよく分からなくなってきます。

具体的な数字を使って申告書を作ってみると理解しやすくなるのかなと思います。

なので、私は事例が多数収録されている本を選んで購入しました。

申告書だけではなく申告書付表や計算明細書も作る必要がありますし、作るうえで必要な取引明細書のどの部分を落とし込んでいくかを把握する必要があります。

実際に作業をしてみるのはおススメです。

苦手な人が多い→差別化できる

先ほども書きましたけど、税理士でも苦手な人が多いというお話を聞いたことがあります。

税制改正が多くてついていけないという理由や、横文字のアレルギーで触れたくない方も多いようです。

特に、暗号資産取引(仮想通貨)は最たるものでしょう。

しかし、考え方によってはそれで差別化できるわけです。

税理士も数が多く通常業務だと料金だけで比較されがちです。

しかし、ほかの税理士があまりやっていない分野を専門にしておくことで、その業務だけに特化できるほど稼ぐことができる可能性があります。

私は税理士してはかなり後発組です。

これまで長年経験されてきたベテラン税理士と同じ分野では早々勝てるわけがありません。

追いつき追い越すためには違う分野を専門に持つことも大事だなと感じています。

まとめ

今回は、金融商品の税金について事務所運営の点から書いてみました。

業務にするからには、まず自分がやりたいかどうか・興味が持てる分野かどうかが大事になってくると思っています。

では。

 

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