税金や年金のことでご相談をお受けすると、
- 友達がこう言っていたんだけど
- 知り合いに言われて
- TVでやっていて
と、内容を聞きつけてご相談されるケースが多いです。
この言葉を聞くとちょっと注意だなと感じますし、聞いてみて全然違うことを言っている場合がありますので慎重に対応するようにしています。
確認したい気持ちはよくわかる
最近あったのは、年金相談でお受けしたお客様で「TVで支給の繰下げができて年金が増えると言っていた」というものでした。
年金の場合ですとご本人の生活保障の側面が強いですから、もらえるものはもらっておきたいものです。
今回の場合、そのお客様は65歳未満の老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)を受けられる方でしたが、まだ働けるので支給の繰下げをしたいと。
しかし、繰下げの対象となるのは65歳から受け取る年金(老齢厚生年金と老齢基礎年金)ですので特別支給の老齢厚生年金は繰下げできません。
また、税金でも同じようなお話があります。
確定申告時期になると、医療費控除を受けるためのご相談が多く寄せられますが、医療費控除分がそのまま還付されると思い込んでいらっしゃる場合があります。
あくまですでに前払いされている源泉徴収税額が最大でそれ以上還付されることはありません。
時期的にTVや友人から聞いていい情報だと思いこまれているのもしれません。
確かにお金が還付される・もらえるとなると確認したい気持ちはわかります。
自分にとっていい情報だとついその部分だけ切り取ってしまいがちです。
相談者に当てはまる場合は多くない
ただすべての相談者にそのまま当てはまるとは限りません。
むしろお話をお聞きすると、要件を満たさなかったりして認められないケースが多いです。
その際に、お客様に告げると「え、なんで?」と納得いただけないことがあります。
【事務所お知らせ】説得するのが大変
ご本人が単に相談したいというのならまだ説明はしやすいですが、もし友人・知り合い・TVで見聞きしたもので確認を求められると非常に説明しづらくなります。
まずその内容がお客様に当てはまることなのかどうかを検討していく必要があります。
そのうえで、制度のご説明をさせていただき内容にご納得いただくことも大切です。
その説得がとても大変だなといつも思います。
「友人や知り合い・TVで言っていたことは間違っているのか!」と詰め寄られることもありますが、ご本人の状況を詳しくヒアリングしないと判断できない場合があります。
一部分のいい情報のみを切り取ってお話をされていることもあり、もし悪い情報が入ると納得いかないと言われる方もいらっしゃいます。
年金などは支給できないとなると、「じゃあ友人は支給できて自分は支給できないのはなぜ?」となるわけです。
そのご友人の年金情報など分かりませんから、その方のお話をそのままお聞きしてお伝えするしかありません。
人の状況・事業の状況は様々です。
それをあたかも自分にも当てはまるように都合よく解釈される気持ちも正直わかるので説得する難しさは常に感じます。
ご自身の判断しだい
私個人的には、お客様のお話をヒアリングしたうえで目に見える形でご説明できるようにしています。
私自身、口頭で説明を受けてもピンとこないんです。
パンフレットや市販されている本・国税庁ホームページ・日本年金機構ホームページなどをお見せしながら説明したほうが伝わりやすいです。
実際、年金相談の際には「○○年金ガイド」と呼ばれるパンフレットをお見せしながら説明させていただいています。
税金関係ですと、国税庁ホームページや確定申告の手引きなど。
私自身の言い忘れ漏れ・勘違いを防げるというメリットもあります。
あとはもうお客様ご本人次第のところはあります。
やっぱり説明させていただいても最終的にはご本人がどうされるかだと思います。
説明はしたけど納得いかないのならご自身で手続きされても別に構わないと思います。
手続きをするのは代理人を立てなければご自身で行っていただくことになります。
絶対税理士や社労士に委任しないといけないかというとそうではありません。
ただ、やっぱりこちら側としてもできるだけご理解いただけるような表現や図解などを使ってご説明させていただくのですが、なかなか難しいですね。
結局ご本人様次第なんですけどそれで突っぱねるのもちょっとかわいそうな気もするわけで…。
まとめ
友人や知り合い・TVで見てという話題が出てきたら毎回注意深くヒアリングしています。
お客様の事情と合っているのかどうかは毎回確認しながら相談対応するように心がけています。
では。