経理をシンプルにするにはー事業用口座と事業主勘定ー

私が自分の事務所経理をするときに目指しているのは、「時間をかけずにサクッと終わらせること」です。

基本的に毎日経理はしていますが、10分かけずに終わらせます。

そのコツをご紹介させていただきたいと思います。

経理がめんどくさいなと思われているフリーランス・個人事業主の方がいたら参考にしていただければと思います。

「事業所得を申告」するということ

そもそも事業所得を申告する必要があるのは、事業にかかるものだけです。

そう、入出金をするときには、事業分だけでなくプライベートで使ったものも含まれるかと思います。

そのため、お財布がひとつで事業分とプライベート分両方が入出金されるとなると、事業分だけを拾い上げていく必要があるわけです。

それは非常にめんどくさい。

また、お財布といっても現金のほか、キャッシュカードやクレジットカードなど預金口座に入金されたり引き落とされたりするものもありますよね。

それも事業分とプライベート分両方が入り混じってしまうと、事業分だけ拾っていくのはめんどくさいものとなります。

なので、自分でこのように経理しよう!と決めてしまうのがおススメです。

事業用口座から入出金する

先日の記事でも書きましたけど、事業用口座を設けてそこから入出金をするようにします。

金融機関によってはネットバンキング契約をすることで会計ソフトと連携し仕訳を自動で行ってくれます。

最初は変わった仕訳ができてしまうこともありますが、同じような取引だと予測変換してくれるようになり仕訳の精度が上がってきます。

出金も同じように事業用の預金口座から行います。

振込みや口座引き落としを利用します。

一方で、事業を行うにあたって現金での取引はできるだけしないように心がけています。

現金取引ですと会計ソフトでの連携が取れませんので、仕訳を自分で切っていかなければなりません。

また、領収書(レシート)が紙の場合は保管も大変です。

振込みや口座引き落としの場合、請求書や支払明細はネット上から確認できますのでダウンロードしてクラウド上に保管しておきます。

プリントアウトする必要はありません。

ただ、現金取引がメインという事業も多いかと思います。

そんなときでもできるだけ現金での取引を少なくすることをおススメします。

例えば、飲食店の場合、お客様から受け取る売上分は現金の場合もあるかと思いますが、支払分は口座決済するという方法もできます。

そうすれば、現金での売り上げ分だけを会計ソフトに入力すればあとは口座連携で支払分が自動で仕訳されてくることになります。

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現金取引は事業主勘定を使う

あと、現金は事業で一切使わないと決めてしまうという方法もあります。

青色申告決算書のなかに「貸借対照表」というものがあります。

簡単にいうと12月末の残高を集計していくものですが、この中で口座と連携ができる普通預金だけを記録していきます。

現金はプライベートで管理するという状況にするわけです。

例えば、事業で使う消耗品などを現金で買ってくることもあるでしょう。

事業の入金を現金で受け取ることもあるでしょう。

そんなときは、現金勘定を使わずに事業主勘定を使います。

事業主勘定とは、自分という財布から現金を借りている・貸している状態を記録する科目です。

現金勘定を使わないことで、現金残高を管理する手間が省かれることになります。

貸借対照表に現金を載せないわけですからね。

申告するからには残高管理は必須です。

しかし、事業をする以上、現金や預金残高がまったくないのはおかしな話です。

そこで、

口座連携で会計ソフトから自動集計して残高管理がしやすい普通預金は貸借対照表に載せ、現金取引は事業主勘定を使うため現金は貸借対照表に載せない

ということをおススメしています。

以下、貸借対照表のイメージです。

ただこれは人それぞれ考え方があって、現金取引が主な事業(飲食店など)なのに貸借対照表に現金がないのはちょっとおかしいかなと。

だったら事業で使う現金とプライべートで使う現金は別管理をしておき、事業分の現金残高を管理して貸借対照表に載せるということも必要かなと考えます。

また、事業用の現金や預金がないのに生活できている場合、いったいどうやってお金が出てきているのかという問題が出てくることもあります。

つまり、事業所得以外の所得をきちんと申告しているかというところも税務調査で見られることがあります。

なので、事業主勘定の使い方には注意しつつ、別にきちんと申告していれば問題ないところかなと思います。

まとめ

私の場合は、家計簿アプリ(マネーフォワードME)で全財産を管理しています。

その中から事業で使った分だけを抜き出しマネーフォワード確定申告に取り込んでいます。

現金で受け取ったものや支払ったものは事業主勘定で処理しています。

事業に関係のない支払いもすべて事業主勘定で処理します。

結局、残高を管理することがまず重要です。

勘定科目は正直あとから直せますし自分が管理できれば極論なんでもいいです。

それよりも手元にある現金や預金残高と会計ソフト上の残高を一致させていくことが大事です。

できるだけ現金取引を減らしたいのは、残高の管理に手間がかかるからです。

ひとつ管理が減れば経理はずいぶん楽になります。

では。

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