申請書・届出書はもっと分かりやすくすべきだと思う

税金や年金の申請書・届出書ってなんでこんなに難しいんでしょうか?

私は一応税理士・社会保険労務士ではありますけど、作成するときにはいつも迷ってしまいます。

ここ最近で特に難しく感じたものをご紹介しようと思います。

消費税簡易課税制度選択届出書

インボイス登録申請書を提出している私。

申請書は記入例もありますが、e-Taxソフト(WEB版)ですと指示にそって選んでいけば完成します。

記入例だけだと難しいようで、先日インボイス制度の講師をさせていただいたときに質問されました。

今回はその続きで簡易課税事業者選択届出書を作成してみようと思ったところ、e-Taxソフト(WEB版)では作成できないとのこと。

仕方なくe-Taxソフトで直接入力することにしました。

で、消費税簡易課税事業者選択届出書を入力しようとしたところ、

消費税法施行令等~ってなに??

当然調べてみました。

これは、

「免税事業者がインボイス発行事業者になる場合(課税事業者になる)令和5年分から簡易課税制度を適用する旨を届出します」

ということを言っています。

インボイス制度Q&Aの図解と並べてみましたが、

「令和5年分から適用する旨を記載」というのが、届出書のチェックボックスの部分にあたります。

この簡易課税制度選択届出書には記載要領があり以下のように書かれています。

この記載要領を見て果たして「インボイス制度のことだ!」って理解できてチェックできる方がどれだけいるのだろうかと思ってしまいます。

私の勉強不足なのかもしれませんが、税務関係の届出書や申請書は条文をそのまま引用してチェックマークを付したりすることがよくあります。

なぜ申請・届出者目線で作らないのかなと不思議でたまらないのですが。

私が税務署にいたころからずっと疑問というかイライラしていたところです。

【事務所お知らせ】  

生計維持申立書と様式229号

こちらは年金相談でのお話です。

生計維持申立書というのは、「老齢厚生年金 加給年金額加算開始事由該当届(生計維持申立書)」が正式名称の書類。

様式229号というのは、「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」が正式名称の書類。

老齢厚生年金に20年以上加入していると、生計を維持されている配偶者や子が要件を満たしていると、ご本人が65歳以降加給年金が加算されます。

通常は、老齢厚生年金がもらえる権利が発生した時に年金請求書に記入すれば生計維持関係の登録が済みます。

しかし、65歳を過ぎて初めて請求をする場合には、まだ生計維持関係が登録されていませんので、上記の生計維持申立書を提出します。

一方で、65歳以降になってから老齢厚生年金に20年以上加入した場合、まだ生計維持関係の登録がされていませんので、様式229号を提出します。

生計維持申立書:65歳以降の請求ですでに老齢厚生年金に20年以上加入している
様式229号:65歳以降の請求で、65歳以降になってから老齢厚生年金に20年以上加入した

この違い、お恥ずかしいながらつい数日前まで理解できていませんでした。

年金相談をしていると書いていただく書類をご案内しますが書類そのものを理解しておかないととんでもないミスにつながる場合があります。

ご来訪いただくお客様の手間をおかけしないようにとは思っているのですが、もやもやが止まらず年金事務所の職員に声をかけて解決することができました。

「名前ほぼ一緒だから大丈夫でしょ」ってならないんですよね、これが。

利用者目線にかえようよ

もともと税務署の職員をしていましたので、書類を受け付ける側でした。

なので書類を作成するということは実際ありませんでした。

でも聞かれるわけですよ。

どう書いたらいいでしょうか?って。

実際作ったことあるかのような体で説明することももちろんありました。

なのでもやもやがずっとありました。

もっとなんで利用者の目線で考えて届出書や申請書は作らないのかなって。

別に条文など書いたところで全員が専門家ではありませんし。

理解しやすいように条文表記はやめるとか、届出書や申請書にも図解を入れるなどの工夫は必要じゃないのかなと思うのです。

まとめ

今回、私のこころの声を吐き出す場になってしまい申し訳ありません。

ほかにも挙げればきりがないのですが、ここ最近私の勉強不足なのか非常に難しい言葉で届出書や申請書が作られていると感じます。

こういう難しい書類をかみ砕いて分かりやすくお伝えするのが税理士・社会保険労務士の役目なのかなと思うと悲しくなります。

では。

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