税務調査を担当していると、会社や事務所にお伺いします。
このことを「出張」といいます。(まあ当たり前ですけど)
税務署で勤務していると、税務署の管轄内での出張がほとんどで、国税局などで勤務していれば大企業に調査に行ったりするので全国出張というのもあり得ます。
私は税務調査で管轄外の出張の経験があります。
その時の出張について今回は書いてみます。
管轄内での出張
普通は自身の会社や事業者を管轄する税務署から調査官がやってきます。
同じ税務署内で年に数十件もの担当を持つので、地理的に詳しくなることが多いです。
たまに勘違いで違う住所へ行ってしまって道に迷うこともありますし、ビルが立ち並ぶオフィス街ですとビルの入口が分からないということもありますが。。。
また、電車の駅から近い会社だけではなくて、電車やバスもなく歩いていかなければならないところもあります。
一応税務署では自転車を借りてもいいことにはなっていますが、防犯上の観点から事前に総務課に連絡する必要があります。
車ですと公用車ですので、申請者本人が講習を受けたりしなければならないようです。(私は経験ありません)
1人での出張なら自転車で行くこともありましたが、2人以上ですと歩いていくことになります。
けっこう歩き疲れることが多くて、暑い時期ですと調査が始まる前にすでに汗だくということも。
ただ、税務署の管轄内ですので、何時間もかかるような遠いところはありませんし、バス停があるのを見つけて途中までバスに乗ったりということもあり早く帰れます。
また、地理感が徐々にわいて来たりしますので、景色を楽しみながら出張していることもあります。
春は桜を見ながら、秋は紅葉を楽しむなど。。
あと、出張中にどこで昼食を取るかという楽しみもありますね。
調査先の会社や事務所の方、税理士などと一緒に昼食を取ることはありません。
近くで食事ができないときに別室をお借りして食べることはありますが、その場合もコンビニで買って持参していました。(弁当を買っていただけるときは全額払うかお断りします)
1人ですとちょっと歩いた定食屋に入って喫茶店で休憩してから午後の調査に戻るような感じでした。
その定食屋も居酒屋のランチだったり、普段夜営業しているお店のランチは安くてボリュームがあったのでそういうところばかり選んで入っていました。
喫茶店はドトールやスタバなどのカフェの他、昔ながらの純喫茶のようなところでちょっとお高めのコーヒーを飲むこともありました。
そういうお店を見つけることも、出張での楽しみかなと思います。
しかし、2人以上でかつそれが上司の場合はそうはいかず、基本的にランチも一緒です。
上司の意向に合わせるのが基本なので、けっこうお高めのランチのこともありますし、立ち食いそばということもあります(立ち食いそばが悪いというわけではありません)。
気を使いつつ上司より早く食べ終わることも考えていましたが、私は見た目で「当然大盛だよな」と促されるがまま大盛にしてしまい苦しい思いをしたこともあります(苦笑)。
上司との出張は本当に大変ですがとても勉強になります。
調査からの行き帰りに体験談を聞いたり、どういう調査展開にしていくかを一緒に考えたり、愚痴を言い合ったり。。
これが管轄外の出張になると、この上司との関係がさらに密になっていきます。
税務署の管轄外の出張
とある都心税務署に勤務していた時に、何度か「税務署の管轄外に出張」した経験があります。
管轄内にある会社が、地方に工場や事務所がある場合に現地に足を運んで調査したりします。
例えば、在庫の保管状況を確認する、工場の作業員の勤務状況、事務所で経理事務をしている場合など。
ちなみに、東京国税局管内とは東京都・神奈川県・千葉県・山梨県の一都三県のことを指します。
「管外出張」という言葉もあります。ここでは、東京国税局の外に出張することを言うとお考えください。
埼玉県だと関東信越国税局が管轄になりますので、埼玉県に行くと「管外出張」ということです。
私は「税務署の管轄外の出張」と「管外出張」どちらも経験がありまして、千葉県と埼玉県と栃木県に行きました。
本社は東京都内にあって、工場や事務所がこれらの県にありました。
埼玉県は電車でもそんなに時間がかからずに済んだのですが、千葉県と栃木県は遠かったです。
この時も全て上司と2人での調査でしたので、行先の確認(電車の時刻や現場までの地図の確認)などをして朝早くに上司と待ち合わせをするのです。
一番遠く朝早かったのは、栃木県の足利市に行ったときでした。
東武線の浅草駅に朝7時集合で特急りょうもうに乗るという感じだったかと思います。
着いてからもタクシーで移動したりと相当遠かった記憶があります。
もちろん日帰りです。
浅草に戻ってくると19時すぎでした。
書類持参のために紛失するといけないので、寄り道せずに帰宅しましたが21時前でしたね。
千葉県は柏市でしたが、当時住んでいた家から遠かったので、7時ごろに出発した記憶があります。
この道中、上司と常に一緒ですので気を使うわけです。
昼食も当然一緒ですし。
ただ、その時も上司から色々教えていただけます。
管轄外だからこそ知っておくべき調査方法とか、従業員や現場の方との接し方など。
特に、私が当時まだ3年目でしたので「この年数で管轄外の出張を経験できるのはすごくいいよ」とおっしゃっていただきました。
「調査経験が少ないから色々経験させることが一番の勉強になる」とおっしゃっていましたね。
実際調査自体は厳しく大変だなと思いましたが、こういう出張の機会に多く恵まれたのは財産ですね。
もちろん、東京都内の他の管轄税務署はけっこう行きました。
管轄の外の出張だと、その地域限定のお土産を買って帰ったり、現地の特産品を食べたりすることもできたので、仕事以外にも多くの楽しみがありました。
国税局勤務ですと、全国出張もあります。長時間拘束されるので大変ですが、仕事以外の楽しみも多く上司や先輩との思い出もできます。
まとめ
今回は、調査官として出張していたころのことを書きました。
結論は、出張は好きだったということ。
税務署の中にいても息が詰まる思いはずっとしていましたので、気分転換という感じの時もありました。
出張って仕事で行くわけですが、その道中でもランチやカフェ巡りなど何か楽しみがあるといいのかなと。
私は食べることが唯一の楽しみでしたのでこれを糧に頑張ってきたところがありました(言い過ぎ…)。
出張の考え方を変えるのもひとつかもしれませんね。
では。
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