年金相談を行っていると、たまに勘違いをされていてビックリして帰られるお客様がいます。
それは年金は請求しないともらえないということ。
黙っていても当然もらえるものだと思って放っておかれる方が多いのです。
その都度、ご説明させていただくのですが請求されていないことが多くびっくりしているところです。
65歳過ぎてもバリバリ勤務されている場合
会社を経営されていたり、65歳を過ぎてもバリバリ仕事をされている方が多くなってきています。
給与をもらっているから年金などいらない
というお考えの方も多いです。
しかし、年金は自ら請求しないともらえません。
老齢厚生年金は、65歳未満でも生年月日によって特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができます。
また、65歳以降は国民年金をかけていただいていた分の老齢基礎年金と勤務分の老齢厚生年金を受け取ることができます。
よく、働きながら給与をもらっていると年金が止まるという制度(在職老齢年金)があることはご存知なのですが、間違ったとらえ方をされている方が非常に多いのです。
在職老齢年金として年金の調整が入るのはあくまで老齢厚生年金の金額のみ。
国民年金部分の老齢基礎年金は調整されません。
今年4月から65歳未満の在職老齢年金の支給停止基準額が月47万円と引きあがったことで、支給停止にならない方が一気に増えました。
【事務所お知らせ】送られてくる年金請求書で申請しておこう
そう思っている場合でも、年金支給開始年齢になる前に届く年金請求書で申請しておくようにしましょう。
もちろん給与が高ければ老齢厚生年金は支給停止になることがあります。
しかし、今後の給与支給額の変更により支給停止が解除され年金をもらえるようになることもあります。
そのとき、一度申請しておけばあえてまた請求書を記入して提出することがなくなります。
年金請求書を記入して提出するのは、基本的に最初の1回だけ。
そこできちんと申請して登録をしておくことで、次回以降の手続きが簡単になるのです。
年金の受取りには5年間の時効あり
先日、私が相談対応をしていると年金請求をされておらず時効になっている方が来られました。
68歳になったけど年金の請求をしていなかったとのこと。
最初は年金の受取り見込額を計算してほしいとのことで来られていたのですが、請求がまだなのが気になってお話を聞いてみたのです。
この方は62歳から特別支給の老齢厚生年金の受取りができる方でした。
今68歳ですので5年前の63歳からの年金しか受け取れないことを告げるとビックリされておられました。
別の方は、給与が高いから年金の請求をしていなかったとのこと。
給与が高いと年金がもらえないのは、あくまで老齢厚生年金の部分のみですとお伝えするとこの方も「えっ…、勘違いしていた」とのこと。
65歳からは基礎年金部分は普通に出ますので給与の影響を受けないんです。
その方は時効にはかからずさかのぼって請求をしていただくことになりました。
お二人に共通していたのは、請求をしていない理由が勘違いだったこと。
請求はいつでもいいや!って思っていたのでしょう。
支給年齢になると年金請求書が日本年金機構などから送付されてきますが、特に給与をたくさんもらっていると気にしないのかもしれません。
在職老齢年金という制度は聞いたことがあるのでしょう。
しかし、勘違いをされている方が多い制度なのかもしれません。
周りの情報に惑わされないで
窓口に相談に来られる方は、近所の方や周りの方・勤務先の方などから話を聞いて来られることも多いです。
しかし、周りの情報をそのまま鵜呑みにしてこられるので唖然とされている方もいます。
自分の年金記録と他人の年金記録はまったく異なります。
ひとりひとり年金記録は違って当然なのです。
なので、自分にその情報が当てはまるとは限らないわけです。
生年月日や男性・女性、勤務形態、生計同一…
ほかの人と同じ年金額が受け取れることはないです。
まずその誤解を解くことから始めるのが年金相談でもよくあることです。
まとめ
基本的だと思っていたのが、年金は請求しないともらえないということでした。
しかし、世間ではいまだ浸透していないように感じることがあります。
請求書を送ることだけでなく啓発活動もしたほうがいいなと思いますが、まずはそれぞれ個々が年金に興味を持っていただくことも大事かなと思ったりしています。
では。