個人事業主の無申告が分かってしまう理由

個人事業主の中には、

税務調査なんてこんなとこには来ないから関係ないでしょ!

申告なんてしなくていいよ!

って思われている方もいたりしますし、そもそも申告することを知らなかったという場合もあります。

今日は、個人事業主でも無申告がばれてしまうケースをいくつか取り上げてみようと思います。

「申告しなくてもバレないよね?」は間違い

たまに個人事業主の人から話を聞くと、確定申告しなくても大丈夫だ!と言い切る人がいます。

なかには本当に確定申告しなくてもいい場合はありますが、基本的には何か収入を得たら確定申告をしていただくというのが原則です。

税務署は多くの情報を持っていますのでバレないということは基本的にあり得ないと思っていただけたらと思います。

元従業員のタレこみや外注先からの情報なども集まってきますので、まったく情報がないということはないです。

【事務所お知らせ】  

報酬の支払調書から

先日このブログでも書きましたが、報酬の支払先が発行する支払調書は基本的に税務署への提出が必要になります。

そのため、受取側である個人事業主の申告状況を確認したら売上がもれていたり、そもそも申告していない事実がこの支払調書から分かります。

法人の税務調査から

例えば、法人が仕事を個人事業主に依頼(外注)することがあります。

この場合、法人に税務調査が入ると個人事業主に支払った外注費についても本当に正しく支払っているのか・仮装していないかをチェックされることになります。

個人事業主が本当に実在しているのか確認することも大事になってくるので、調査官は一度情報を持ち帰って署内で検索をかけます。

個人事業主の確定申告状況を確認するのです。

正しく外注費として支払っていたのなら、特に法人側に誤りはありません。

しかし、もし外注先の個人事業主が申告していないのならその情報は個人課税部門へと引き継がれることになります。

法人課税部門の調査担当としての実績はつきませんが、個人課税部門への情報提供により無申告が発覚して実績になることがよくあります。

源泉所得税の誤納額還付請求書から

まさかこんなところから個人事業主の無申告がわかるのか、という事例です。

所得税を源泉徴収をしたけど誤っていたとか、支払そのものが不要で支払時に源泉徴収したけど還付してほしいという場合に源泉所得税を還付請求をすることができます。

還付請求の場合には、源泉所得税の誤納額還付請求書に計算根拠となる資料などを添付していただくことになっています。

ある法人が提出した還付請求書は、源泉徴収が必要な報酬を個人事業主に支払ったもののその支払い自体が間違っていたので還付してほしいという内容でした。

その支払いが不要だった事実をこちらは確認したいので、その時の請求書ないしは領収書を添付してもらいます。

  • 請求書自体は1枚しかなく単発取引であった
  • 前月にすでに支払済みである
  • その月の支払が誤りであったため先方から返金を受けた(領収書もあり)

還付の審査の手続きは進めることになったのですが、個人事業主が相手の場合は事業内容により本当に源泉徴収が必要な事業主かどうかも確認することになっています。

いざ申告状況を確認したらずっと無申告だったのです。

還付手続きと同時に個人課税部門への情報提供をすることになりました。

このように税務署に提出する添付書類から無申告が分かることもあります。

無申告の繰り返しは加算税が上乗せ

無申告が発覚し期限後で申告をしたとします。

その5年の間に同じ所得税について無申告が発覚して加算税が課された場合は、加算税が上乗せされます。

加算税とは、本税に対して一律で課されるいわゆる「罰金」です。

通常の無申告加算税は15%課されますが、5年内で繰り返してしまうと25%になります。

無申告を一度してしまうとまた無申告を繰り返すことが多いのでそれを抑止する意味でもあります。

つまり、一度無申告をすると5年間は税務署から監視されている状況になることを意味します。

5年以内ならいつ調査されてもおかしくないということです。

だからといってウソの申告はもってのほか。

仮装・隠ぺい行為として重加算税というさらに重たい罰金が課されてしまいます。

まとめ

今回は、個人事業主の無申告がばれてしまう理由についていくつかのケースを書いてみました。

私が経験しているのはこの3つです。

情報をたくさん持っているのが税務署ですから、バレないだろうという発想は捨てたほうがいいと思います。

では。

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